- 根管治療
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- 虫歯は主に下記のように5段階に病状が分かれ、初期虫歯(CO)の段階では、再石灰化を促進することで、改善できる可能性があります。しかし、虫歯を放置し病状が進行してしまうと、歯の表面のエナメル質を溶かし続け(C1)、その下の層の象牙質(C2)、歯の神経である歯髄を溶かし(C3)続けてしまいます。虫歯菌が歯髄まで到達してしまった場合は、根管治療が必要となります。根管治療を行い、ご自身の歯を維持しましょう。
- 虫歯の進行段階と症状
- 虫歯の進行段階はCO~C4までの5つの段階に振り分けられ、段階により症状や治療方法も異なっていきます。
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- 虫歯段階:C0
- 初期虫歯の段階をさします。初期虫歯は一見判断しにくいのですが、虫歯菌によって歯の表面からエナメル質が溶け出し、歯の色が白濁、臼歯の歯の溝が茶色く変色しており、初期虫歯のサインとされています。
- <自覚症状>
特になし。
- <治療方法>
初期虫歯はフッ素塗布や、歯磨きで再石灰化を促すことでき、虫歯が改善することもあります。
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- 虫歯段階:C1
- エナメル質が更に溶け出し、表面が黒ずんだり、小さな穴が空いたりします。この段階で治療を行えば治療は最小限で抑えることが可能です。
- <自覚症状>
自覚症状はなく、定期検査で発見することが可能です。
- <治療方法>
虫歯部分を削り詰め物で失った部分を補います。
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- 虫歯段階:C2
- エナメル質の下の層にある象牙質まで病状は進行している状況です。見た目にもその症状は著しく現れ、穴が空き歯も黒くなります。
- <自覚症状>
自覚症状も徐々に現れ、冷たいものがしみるように感じる場合もあります。
- <治療方法>
虫歯部分を削り詰め物で失った部分を補います。
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- 虫歯段階:C3
- 歯の神経まで虫歯菌が侵略し、歯の神経を取り除くことが必要となります。
- <自覚症状>
この頃には痛みが増し、ズキズキと持続する痛みを感じます。治療に必要な麻酔も効きにくくなります。更に虫歯が進行すると、神経が死んでしまい神経による痛みは感じなくなります。
- <治療方法>
神経を取り除くための、根管治療が必要となります。根管内を消毒し、土台を入れて被せ物をします。
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- 虫歯段階:C4
- 虫歯菌の脅威は収まらず、遂には歯のほとんどが溶かされ、歯の根っこの部分である歯根だけの状態となります。
- <自覚症状>
膿が出て、口臭も強くなります。歯根の周辺歯肉にまで炎症が達し、炎症による更なる痛みや熱が出ることもあります。
- <治療方法>
歯を残すことは困難であり、抜歯が必要になる場合がほとんどです。抜歯後は義歯(入歯)やインプラント治療が必要となります。
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- 根管治療の重要性
- 根管治療は、虫歯治療において欠かせない治療方法の1つです。歯の根っこの部分である根管の内部はとても細かい形状をしているために、歯科治療の中でも難易度の高い治療となり、確かな経験、技術を持った歯科医師のもと、専門の設備が整った歯科医院で根管治療を受けなければ、虫歯菌を完全に除去できていない場合などには、虫歯が再発し、周辺の歯周組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質)などに炎症をきたし、膿や強い痛みが現れる疾患である「根尖性周囲炎」になりかねません。
- 根管治療への取り組み
- 当院では、自費診療における根管治療の際に唾液の侵入を防ぎ、根管内部を無菌で治療できるように、ラバーダムと呼ばれるゴム膜で治療する歯を隔離して治療を行うラバーダム防湿法を取り入れ、細く曲がりくねった根管内の視野を確保するための歯科用顕微鏡を備え、難易度の高い根管治療に努めております。ラバーダム防湿法は、100年以上前から行われてわりますが、ラバーダム装着までの過程に手間がかかる理由などから、国内の歯科医院では1割以下の歯科医院のみが行っていると言われております。
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Flow根管治療の流れ
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- ラバーダム防湿法の準備、装着
- ラバーダム防湿法の準備、装着をします。
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- 洗浄・殺菌
- 根管内の歯髄(神経)などをファイルと呼ばれる専用器具で除去し、根管内を洗浄・殺菌を行います。
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- 薬剤の塗布
- 根管内に薬剤を隙間なく充填し細菌が侵入することを防ぎます。
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- 補綴物(被せ物)
- 根管治療が終了したら、歯の土台を形成し、補綴物(被せ物)の治療を行います。
- メンテナンス
- 根管治療を行った歯は、神経が通っていないので自覚症状がなく、再度虫歯になってしまった場合、気づくことが難しく、虫歯がかなり進行した状態で発見されることもあり、定期健診が重要となります。患者さま自身の負担を最小限に抑えるためにも、定期健診を受けましょう。